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このテキストは、サウンドアーティストのステファン・ヴィンターと作曲家の安田芙充央による、ベートーヴェンを基にした音響作品三部作の一環である「第九の波」プロジェクトについて解説しています。
その趣旨は、ベートーヴェンの音楽と、現代における難民問題や自然破壊といった人類の抱える悲劇を結びつけ、芸術を通して人間性を問い直すことにあります。
ヴィンターと安田は、ベートーヴェンの楽曲の断片と、自然の音を模倣したアナログな手法で生成されたノイズを組み合わせることで、音楽とノイズアートの新たな統合を試みています。特に、2013年のランペドゥーサ島沖の難民船沈没事故をきっかけとして、人間の自然に対する破壊、人間同士の争い、そしてその結果としての難民問題といった現代社会の根深い課題を、ベートーヴェンの音楽が持つ感情的な力と結びつけて表現しようとしています。
ヴィンターは、ベートーヴェンの音楽が持つ自由、平等、友愛の精神が、現代においてもなお重要であると同時に、商業的な利用や誤用もされている現状を指摘します。彼は、ベートーヴェンの音楽を通して啓蒙の重要性を訴え、それが人類の自滅を防ぐ鍵となると考えています。
また、この作品はベートーヴェンだけでなく、ジェリコーの絵画「メデューズ号の筏」、ダンテの「神曲」、フリードリヒの絵画、そして北斎の「神奈川沖浪裏」といった様々な芸術作品からインスピレーションを得ています。これらの作品との対話を通して、ヴィンターは人類の内面を探求し、芸術が持つ人間性を問い直す力を追求しています。
アナログな手法で生成されるノイズについては、単なる環境音ではなく、手の動きによって生み出される触覚的な要素が重要視されています。ヴィンターにとって、ノイズは内なる声であり、潜在意識に眠る記憶を呼び覚ます力を持つと考えられています。
「歓喜の歌」についても、単なる友愛のスローガンではなく、自由、平和、連帯、そして自然への頌歌としての深い意味合いを強調しています。現代社会が直面する岐路において、啓蒙、平等、寛容の道を尊重することの重要性を訴えています。
ヴィンターは、完璧さよりも不完全さ、答えられない問いの中にこそ芸術の魅力があると考え、人間性を問い直す音楽家との協働を重視しています。このプロジェクトは、彼とMariko Takahashiが設立した非営利団体「ノイエ・クラングクンスト」の最初の録音作品であり、現代社会の課題に対する芸術の役割を示す試みと言えるでしょう。
ーステファン ウィンター
作曲:安田芙充央
フェルハン・オンダー、フェルザン・オンダー [piano for four hands]
ケルヴィン・ホーソーン [viola]
クラウス=ペーター・ヴェラーニ [viola]
ヨアヒム・バーデンホルスト [clarinet]
ギャレス・デイヴィス [bass clarinet]
アーロン・ザピコ [conductor]
マティス・ニッチェ [noise and sound]
ステファン・ヴィンター [noise and sound]
Part I, Infinite Blue
1. Water and Air
2. Afterlife
3. Seafoam
Part II. Deep Green
4. Forest
5. Wandering
6. Under the Waterfall
Part III, Red Zone
7. At the Bank of River Styx
8. Red Rain
9. The Great Wave
Music composed by Fumio Yasuda
Sounds and noises composed by Stefan Winter
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